一生懸命がんばることを
やめた僕が悟った
「本当の経済的自由」とは?
「お金こそが自分を自由にする」という勘違い
ふと、『魂の退社』(東洋経済新報社刊)の著者、
稲垣えみ子のことを思い出した。
大手新聞社に通っていた彼女は、
40歳のときに会社を辞める決心をする。
そこから10年間準備をして50歳で退職した。
彼女は自分が退職に踏み切れない一番の理由が
”給料”であることを悟った。
普通ならば、
「じゃあ10年掛けて一生懸命お金を貯めて退職しよう」
と考えるが、彼女は違っていた。
それでは根本的な不安は解消されない
と予見したのだ。
そして、
給料がないという”恐怖”に打ち勝てれば退社できる
と考え、
給料と会社に対する依存度を徐々に低くしていく
ことで、ついに退職を成功させたのだ。
彼女を自由にさせたのは、
貯金でも特別な才能でもなく”料理”だった。
市場で安く買ってきた食材で料理を作り、
素朴な食卓を楽しむこと。
一日3食、毎日毎日。
そんな生き方を通して、
人間が本当に食べて生きていくためには、
それほど大きなお金は掛からない
ことに気づいたと言う。
お金こそが自分を自由にしてくれる
というのは錯覚だった。
むしろ、
お金は少なくても食べていける
という自信が、
彼女を自由にした。
結局、
月の給料を
ほとんど使うことなく
1ヵ月の生活が可能になり、
こうすれば会社を辞めても生きていける
と確信がもてたところで、
会社を辞めた。
本当の自由とは”依存”から抜け出すこと
彼女は今、
自分が心からやりたいことを
しながら生きている。
お金がたくさんあるからではない。
お金に対する恐怖に
打ち勝った者だけが享受できる自由だ。
こういうのが
本当の”経済的自由”
なのではないだろうか。
僕らが不安な理由は、
あまりにも何かに依存しすぎている
からかもしれない。
何かがないと生きていけない
と思い込みすぎている状態なのだろう。
おしまい